学生時代に不登校、引きこもり生活を続けるとどうなるのか 2

 

前回の記事の続きです。

本題に入ります。

 

 

学校にまったく行かないまま大人になると

 

 

 学生時代に不登校、引きこもり生活をし続けて育った場合、人の六つの能力、すなわち

・情緒

・知識

・協調性、社交性

・言語

・身体能力

・自立心

 

 これら六つの能力すべてが欠落します。

 

 これらは、この社会で生きるためには必要不可欠な能力です。

 

 学校は、これらの能力を効率的に伸ばすことを目的とした施設であり、同年代の子や、先生など、色々な人と触れ合い、競い合い、時には遊びを通じて、成長を大いにうながします。

 

 それぞれの能力について簡単に説明します。

 

 

・情緒

 人や物に対する心の動き。それを表現する力。

 

・知識

 物事についてどれだけ知っているか。自分の頭の中にある辞書のようなもの。

 

・言語

 日本語をどれだけ上手に、どれだけ聞き手に伝わりやすく使えるかという能力。

 

・協調性、社交性

 人と打ち解ける能力。特に、知らない人、初対面の人と仲良くなる、うまくやっていく能力

 上の三つは、この能力と密接な関わりがあり、上の三つのいずれかを伸ばすことは、この能力を伸ばすことにもなります。

 

・身体能力

 体力。いざ働くことになった時、どんな業種であれ、一日6~8時間の労働にはある程度の体力は必要不可欠です。

 仕事はもちろん、プライベートにも必要です。

 例えば、平日は仕事に全身全霊で臨んで、休日はヘロヘロになって一日中寝たりしてしまっては、気になるあの人とお出かけ、お遊びに行ったり、趣味を楽しむ余裕がなくなり、リラックス、リフレッシュすらままなりません。

 

 これら五つは、社会で活躍する上でとても大切な人間の能力です。

 ただ、これらよりもはるかに大事な能力があります。それが自立心です。

 

・自立心

 自分のことは自分でするという考えの強さ。自我とも。

 

 この自立心の強さは、行動力、決断力に直結します。

 

 どうしても決断する時に躊躇してしまう。

 頭の中であれこれ考えることはできるけど、行動に移すことができない。

 こういったものが、自立心が足りてない時の主な症状です。

 

 不登校、引きこもり生活を続ける最大の危険がこの、自立心が育ちにくい。というリスクにあります。

 

 特に、引きこもりがちになり、両親に依存しきった生活をしている場合は厳重注意です。

 

 

 

学校に行った方がいい理由

 

 

 実際には学校に行かなかったとしても、これらの能力が全く身につかないということはありません。少しだけなら身に付きますし、何なら環境によっては、学校以上に身につくかもしれません。

 

 なぜなら、人間の好奇心、学習能力というのは、素晴らしい力を持っているからです。

 

 不登校、引きこもりという環境下においてもそれらは発揮され、『こうした方がいいんだろうな』という考え、経験、反省などは自然に蓄積され、成長していきます。

 

 また、学校に行かなかったとしても、人とまったく触れ合わないというわけではないでしょうし、勉強や遊びをまったくしないというわけでもないでしょう。

 

 学校が能力を効率的に伸ばす場ならば、理論上は引きこもりであっても、それとまったく同じことを家ですれば、学校に毎日通った優等生と同じ能力が身につくはずです。

 ただし、たった一人で、独学で、不登校、引きこもりの状態で、学校に通っている子と同等の学習をすることは不可能です。

 

 従って、不登校、引きこもり生活が長く続けば続くほど、情緒、知識、言葉、協調性、体力、自立心、といった能力は、基本的には、学校に通った人よりも低くなっていきます。

 

 

「丸川さんって学校行ってないんすよね。でも仕事とかちゃんとできてるし、学校って行かなくても大して変わらないっすよね」

 私が最近、会社の仲間から言われたことです。私は

「いやー、さすがに行った方がいいと思うよ。行ってたらもっとすごい人間になってたし、行かなかったから今こんなところにいる」

と答えました。その時の本心です。

 

 私は引きこもり時代、ゲームやパソコンに明け暮れる日々を送っていました。

 普通にゲームするだけでは飽き足らず、JavaScriptのプログラミングを独学で始めて、自作の攻略支援ツールや、便利機能を搭載したカルキュレーターなどを作り、そこから出力されたデータをExcelで統計表としてまとめ、分析と対策を行ってゲーム攻略に役立てるということをしていました。

 その結果、パソコンの基本的な知識など、案外仕事でも役立つ知識や経験がそれなりに得られました。

 

 ただ、孤独に過ごした結果、やはりコミュニケーション能力が著しく低いのは現在においても変わりません。

 今では10代20代の頃より話す機会は多くなり、改善に向かいつつありますが、やはりどうしても、周りとの会話力の差があることは否めません。

 

 

 

 

 そして、同年代で一緒に学びができる相手というのは、年齢を重ねれば重ねるほど少なくなっていきます。

 

 だからこそ、若いうち、まだ幼いうちから、学校という場で、多くの同年代の子と一緒に学べる、遊べる、経験できる場に入って学習し、また、そういった、組織の中という環境に慣れさせる。

 

 そうすることによって、豊かな人生を送れることができるように、そういった人に育って欲しい。そういう願いを込めて、昔のお偉いさんは、『教育義務』を制定したのでしょう。

 

 学校や、勉強というのは、未来への“投資”そのものです。

 あなたの人生を豊かにするための、六つの能力を育む“投資”です。

 

 なんか長くなっちゃいましたが、これが学校に行った方がいい理由です。

 

 

 

だから、学校には通った方がいいよ^^

 

 

 

と言うとでも思うたか!

 

 

 

 はい、ちょっとおふざけが過ぎました。つい勢いで書いちゃった。

 

 

 

 ただ、学校には無理にでも通わなきゃいけないんだよ。という考えは、私は賛成しかねます。

 

 無理して学校に行ったり、勉強を頑張った結果、それが嫌いになってしまっては本末転倒です。

 

 ただただ、勉強というのは苦痛であるもの。と認識するようになり

成績や内申点を上げるための、ただの手段と認識するようになれば、好奇心、向上心や学習意欲そのものが損なわれる危険性があります。

 

 学校に行くか、行かないかが問題なのではなく、自分の力で考えて、行動して、感じとるという、自立心を養えるかが大事。

 

 

 自分で考え、自分で責任を持って、自分で実行し、得た経験を次に生かす。

 これができるようになれるかどうかが大事です。

 

 

 かといって、自立心が育たなくても、他の勉強や宿題が全て無駄になってしまうということはありません。

 今まで努力によって培ってきた、社会常識やルール、知識や、コミュニケーション能力。こういった能力は、あなたの財産になります。

 

 だから、

『学校は無理にでも行かなくてはならない』のは間違いであるし

『学校は行くだけ無駄』という弁論も、はっきりと間違いだと断言します。

 

 

 

自分の意思で学ぶ

 

 

 人間は、自分の意思で新しい経験を積めば積むほど、あらゆる能力が発達していきます。

 

 学校へ通った経験だって

 勉強をめちゃくちゃ頑張って吐きそうになった経験だって

 不登校になった経験や、その時の遊びで得た経験だって

 友達と喧嘩したり、絶交した経験だって

 

 そのすべてが、あなたを育んでくれます。

 

 繰り返しになりますが、学校へ行くか行かないかが重要なのではなく

 

 しっかりと自分の意思で学べているかどうか

 その学びのモチベーションとなる、人生の目的、目標はしっかり定まっているか

 

 この二つが重要になってきます。

 

 そして、人生の目的、目標をしっかりと見定めるには、いろいろな経験を積んでいくのが近道です。

 

 だから、いろいろな体験ができる、学校に通う経験を積んでおいた方がいい。

 = 学校には通っといた方がいい

 

 

 これが、私の結論です。

 

 

 

 

 

終わりに

 

 

 学校に行くか行かないか、どちらがいいかと言えば、行った方がいいです。

 行けるのであれば、行くに越したことはありません。

 

 多くの人と触れ合って、刺激を受けて、いろいろな経験を積むことができます。

 学校は学びの場というだけではなく、多くの経験を積める場所、なのです。

 

 

 

 次回は、不登校、引きこもり生活が続いている場合について、対処法などを綴っていきます。