不登校生活から抜け出すには

前回、前々回の続きになります。

 

学校復帰を果たす前に

 

 今、あなたは不登校生活が続いている。としましょう。

 そんな時は、一刻も早く…

 

不登校状態を解消しなければならない。
学力をみんなと同じくらいまで上げなければならない。
無理にでも友達を作り、コミュニケーション能力を磨かなくてはならない。

 

 とは言いません。

 そんなことは二の次です。

 

 まず最初に始めるべき大切なことは、他にあります。

 それは、現在自分がどういった状況にいるのか。というのを自己分析し、把握することです。

 

 どういった理由、原因で不登校になっているのか。

 今のあなたの精神、家庭の状態はどうなっているのか。

 今、あなたが好きなもの、夢中になっているものは何か。

 

 これらを今一度、自問自答して、再確認しましょう。

 この時、確認したことをノートや、メモ帳などに書き出すと、さらに効果的です。

 

 こうすることで、自分自身のことで、忘れかけていたこと。
 前に進むために、やるべきこと、通るべき道。
 また、実際に書き出してみることで、自分では気づかなかったこと。

 

 こういったものが見えてきます。

 これは、不登校生活が長い人ほど効果的です。

 

 

 とはいえ、特に二番目の、あなたの精神、家庭の状態については、思い出したくないとか、触れたくない、という場合もあるでしょう。

 無理はしなくて大丈夫。そういった場合は、とりあえず後回しで構いません。

 

 

 

不登校の理由、原因がわからない場合

 

 

 人によっては理由や原因がわからない場合もあるかと思います。

 これについては、とにかく、ありそうだな、と思ったことを書き出してみることです。

 一つでなくても構いません。いくつでも書いてみましょう。

 

 なぜ、書き出す必要があるのかというと、人には言えない理由だったりすることも多いからというのが一つ。

 そしてもう一つは、自分の心に問いかけることができるから、です。

 

 自分自身に問いかけるのだから、嘘をついたり、誤魔化したりする必要はありません。

 

 自分しか見ないノートや、メモ帳に書けば、他人に見られることもありません。

 もちろん、パソコンやスマホのメモ帳でもOKです。

 

 理由といっても、どんなに小さなことでも構いません。例えば…

 

・学校が気に入らないから

・もっとゲームをして遊びたいから

・クラスに気に食わないヤツがいるから

・なんとなく行きたくないから

 

 こんな感じで、なんでもいいので書き出していきましょう。

 一番下の、なんとなく行きたくないから。といった、自分でも、それがどうしてなのかわからない。といったものは、一見、意味がないように思えますが、違います。

 

 どうして自分はそう思うのか?という疑問を自分自身に、自分の心に問いかけることができるからです。

 

 あなた自身がそう問いかけ、そして、それに答えられたのなら、実に素晴らしい。 

 なぜかというと、完全にあなた自身の力だけで、答えや、仮説を導き出せたからです。

 

 

もっと自分を信じてみなよ

 

 若い学生のうちは、確固たる自信を持つというのは簡単なことではありません。現在進行形で不登校の人であれば、なおさらでしょう。

 

 こういった場合、自分で導き出せた答えや仮説のことを、やっぱり違うかな。とか、そんなわけないか、などと、放棄してしまう。信じられなくなってしまうケースがあります。

 

 この問題については、ズバリ言います。

 

自信を持ってください

 

 実際にやってみた結果、とんとん拍子にうまくいくことだってあります。

 そして、例え、結果的に間違っていたとしてもいいのです。

 

 間違うことを恐れて何もしないよりかは、失敗するという経験を積む方がはるかにお得です。

 

 

 

 間違った意見を言って、人に笑われたところで、気にしなければいいのです。

 気にせず堂々と言い返して、議論をしたり、笑い話に持ち込んだりすれば、なおよし

 もちろん、反省すべき点は、後で振り返って、自分だけの反省会を開いて反省します。

 

 あの偉大な発明家、トーマス・エジソンいわく、『私は失敗したことがない。一万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ』とのこと。

 

 なんだかはたから見ると言い訳みたいに聞こえますが、この考え方は非常に重要です。

 

 失敗したのではなく、うまくいかなかった方法を経験できた。と考えるのです。

 うまく行かなかった方法を経験した、知識を得たということであり、確実に前に進んでいます。

 そして、やってみた結果、思いの外うまくいくことだってあるでしょう。

 

何言い訳してんだよw』などと笑われても、気にする必要はないということです。

 

 

 とにかく、やってみること。前に進むことです。

 

 

 

 意見や主張を持つこと自体は、本来、誰も侵害することはできません。

 でも、人に言ったら笑われる、笑われそう。それが嫌でしょうがない。

 そう思うならば、先程のように、自分だけが見れるノートやメモ帳に書けばいい。

 

 そして、自分が出した答え、仮説に基づいて、行動を起こせばいい。

 行動を起こした結果、反省すべき点が見つかったら、またノートなどに書いて反省する。やること自体はシンプルです。

 

もっと自分を信じてみなよ

 

 

 

 

 ここでちょっと私の経験について話します。

 

 私は18歳のとき、『自分は何かおかしいんじゃないか』と疑問を感じ、それはこういう理由があるからだ。と仮説を立てました。

 しかし、結局その時は、自信が持てなかったため、『ちょっとネガティブになりすぎだから、前向きに頑張ってみよう』と、自分の現状と向き合うことを避けてしまいました。

 

 その結果、18歳のときの自分は正しかったんだな。ということを悟ったのは、26歳になってからでした。

高い壁を登ることを避け、回り道をした結果、8年間も道をさまよい、元の場所に戻ってきた。そんなイメージです。

 

 それからというもの、今では自信を持って、自分の心に正直に生きています。

 

 

 繰り返しになりますが、学校での経験は、大変貴重であり、実りあるものです。行けるのなら、行く経験を積んだ方がいいです。

 だからといって、学校には行かなくてはならない。と言いたいわけではありません。

 大切なのは、どれだけ多くのことを経験して、そこから学ぶことができるか。ということ。

 

 授業や勉強に限らず

 読書やスポーツなどの趣味、習い事

 家での遊び、外での遊び、友達との遊び

 インターネット、SNSを使った遊び

 

 これらの経験を通じて、どれだけ自分の精神、心を成長させていくことができるか。

 そして、もし不登校になってしまったのなら、今の自分にとって、何をするのが一番いい経験を積むことができるのか。

 何をするのが、自分の将来にとって一番いい“投資”となるのか。

 

 これをしっかり考え、実行していくことです。

 

 

過去は変えることはできないが

 

 過去の行いは、当然ですが、やり直すことはできません。

 今のあなたにできることは、今と、未来をどうよくするか、ということを考え、実行していくことだけです。

 

 過去は変えることはできません。悔いたところで、始まりません。

 ただ、過去の行いを省みる。そのために過去と向き合う。というのは、大切な試みです。

 過去の後悔は何も生み出しませんが、過去の反省は未来を建設します。

 

 確かに、不登校が続いていれば、一般的な学生に比べて、一部の能力は劣る。それは事実でしょう。

 しかし、この世界で、あなたとまったく同じ経験をして育ってきた人は、一人としていません。

 

 学校に行かなかったということは、学校に行かないという、貴重な経験を積むことができたとも言えます。

 

 また、学校に行かなかったからといって、何もしてこなかったわけでもないでしょう。

 数々の習慣や、遊び、趣味。

 

 文芸、手芸といった芸術作品や、プログラミング作品などを作ったり

 SNSやネットゲームで色んな人と交流をしたり

 ある分野について詳しくなったり、知識を持ったり

 あるゲームを極め、攻略法や、考え方などのノウハウを知ったり

 

 どれも貴重で、この社会で役立つ経験となります。

 

 しっかりと、自分という存在に自信を持ってさえいれば、多少の学力、コミュニケーション能力などは、どうとでもなります。

 

 

 

終わりに

 

 大事なのは、自分に自信を持つこと。

 そして、不登校になったからといって、ヤケを起こしたり、投げやりになったりしないことです。

 

 不登校になったから、何もやる気が起きない、と考えるより、

 不登校になったので、これから何ができるか、改めて考えてみることが大切です。

 

 不登校であっても、できることは多くあるし、色々と疲れたのなら、ゆっくりとリフレッシュする期間としてもいい。

 どうしても物足りないのなら、新しいことを始めたり、行ったことのない場所に行ってみたり、新しいものを見に行ったり聞きに行ったりするのもいい。

 

 学校に通うことを検討するのは、それからでも遅くありません。